錦鯉 第4章

──BREEDER INTERVIEWより──
コイシのコニシさんの、

「人の印象に残る鯉を」

第4章 昭和は浅黄墨タイプが好み三色も4年続く親から良い鯉が
──紅白の他に三色が1腹、昭和が3腹ということですが、昭和が腹数が多いのは黒選で数を減らせるからですね?
小西 そうですね。たとえば30万孵化しても黒仔が2割だったら5~6万。それならうちの小さい池でも入れられますからね。ただ、昭和が最近は自分の思った鯉が出来ないので、ちょっと親を考え直さないといかんなと思っているところです。良い昭和を1本入れて数はいっばい出来たんですけど、黒仔率は悪かったですね。体は良いけど墨質がちょっといかんかなと。来年はまた違う親でやりますが、紅白も三色も昭和もというのはなかなか難しいかもしれませんけど (笑)。

──昭和も写真を撮りましたけど、写真⑩の大きい昭和も自家産ですか。
小西 そうです。3才で東京に持って行っていますけど、当時は模様を見てて大きくならない鯉かと思っていました。今83~84cmあります。

──この鯉は親鯉には?
小西 これはまだ品評会で現役の鯉ですからね。

──昭和は元はどういう系統なんですか。
小西 元々は阪井産の系統です。大きい鯉は85cmを超した鯉も出ていましたからその兄弟を親にしていましたけど、今は代替わりしていますので。
2本目の昭和(写真⑪) は2011年の全日本で夢展に出品した鯉ですね。
小西 今5才で、67~68cmです。今年泉水で飼って、色揚げもやりましたから、よく仕上がっていると思い ます。野池でどんどん大きくする鯉ではないので、ぼちぼち太らせて毎 年品評会で遊べるような鯉ですね。で、この後からあまり良い昭和が出てなくて、この時の親は2回しか使っていないですけど、これl匹しか残っていません。

──もうl本、墨が気に入っているという昭和を撮りました(写真⑫)。
小西 この鯉なんかは親に使おうかなと思っているんです。青墨というか浅黄地のやつで、やっぱりこういぅ墨が良いですね。最近は昭和の墨はどこでも良いもの作るようなりましたけど、私はこういう墨が一番好きです。今はうちの昭和は大きく分けて、大日さんの流れのやつと、阪井さんの流れのやつとあるんですけど、これは阪井さんの流れのですね。
──昔の阪井産の昭和はこういう影墨の残るのがありましたね?
小西 そうですね。出てない塁がまた良いですからね。ちょうど出かかた墨が綺麗というか。で、こっちのほうが体が出来るような気がしますね。昭和は古い親が残っていますから、前の系統に変えたほうが良いのかなとも思いますけど、あんまり古くなると率が悪くなる感じがありますからね。そのへんも考えて、昭和は思案中です。

──一方、三色ですけど、写真⑬が4~5年前使っているという親鯉ですね?
小西 4年使ってます。4~5年前に東京の夢展に持って行ったことがありますけど、その頃からすると緋が少し減ってきましたけどね。昔、阪井さんから出た三色でものすごく墨の良い鯉がおりまして、九州大会で総合を取った三色で、墨は本当に素晴らしい墨でしたね。亡くなられた前の社長が、「墨は世界一だ」ぐらいのこと言ってましたけど。その子供なんです。これは肌が綺麗だし、墨は世界で下のほうかもしれないけど(笑)。

──(笑)3才と4才を掘りましたけど、みんな写真⑬の子供ですね?
小西 はい。これ(写真⑭)は2年目の子で今3才です。紅も模様も良い鯉です。その次の(写真⑮)が4才です。これは親候補ですけど、品評会にも使えると思います。もうl
本(写真⑯)は3才で、ツボに入って模様もまあまあ良いんじゃないですかね。品評会に使える鯉です。三色もそこそこの鯉が出来ていますけど、あんまり三色を一生懸命やると倒産しかねないですからね(笑)…。

──三色倒産ですか(笑)。