錦鯉 第3章

──BREEDER INTERVIEWより──
コイシのコニシさんの、

「人の印象に残る鯉を」

第3章 80cm超になった「ちびまる子」兄弟オスは阪井産親のセットに

──1写真を撮ったほかの鯉を簡単に説明してください。
小西 最初の3才(写真⑤)は誰が見てもこれは仙助だろうというような鯉です。しっかりした体をして重たいですよ、この鯉は。良い鯉というのやっぱり持った時に重たいですものね。これは親も90cmを超えていたからかなり期待できるんじゃないかと思います。この兄弟があと何本かおります。体はこれが一番良いですね。
──もうl本の3才(写真⑥)は?
小西 白地が模様になってるような面白い鯉ですね。品評会は別にして自分のペットにしておきたいような鯉です(笑)。質も良いし、体型も上等な部類だと思います。こういう鯉が大きくなると楽しみなんです。
 それから5才(写真⑦)が、さっき50日くらい鯉が出来なかったと言つた年の最後に採れた親の子です。
これは去年ぐらいまではまだ大した鯉ではなかったですけど、今年だんだんと良くなってきた鯉です。こういう模様だから小さい時から良かったような感じがしますけど、小さい時は欠点が多すぎて、大きくなるにしたがってだんだんと体も出来てきて見せるようになってきました。あと2年ぐらいしたらちょっと期待できるかなという鯉です。やっぱり晩生な鯉が良いです(笑)。

──それから紅白がもう1本(写真⑧)、印象的な鯉ですが。
小西 これは2~3年前に月刊錦鯉にも載せた「ちびまる子ちゃん」で、一回見たら忘れないというか、夢に出てきそうな鯉です(笑)…。最近はちびまる子がちょっとデカまる子になってきて、今83cmぐらいですかね。6才です。体型も良いですし、紅質もかなりのものです。こんな小さい丸点がきちっと残るということは、ちょっとないと思います。非常に私の好きな鯉です。今まで作ったなかでも3本の指に入るんじゃないかなと思います。品評会に入る入らんは別にしてですね。ただ、去年、九鱗会で審査にプロを入れてくれてプロとアマと合同の審査になったんですけど、広島の玉浦さんがこの鯉を絶賛してくれて部優勝に上げてくれました (第7回九鱗会九州大会)。あとはどのくらい大きくなるかわかりませんけど、私の飼育にかかりますけどね。先では親になるかもしれません。
──ちびまる子はどういう親の子なんですか。
小西 うちで良い鯉を出した「福娘」という (写真B)、結構長く使った親鯉がいまして、その鯉と同じ出所なんですが‥‥仙助を作っていた人で、そこから山下さんという鯉屋さんが親を買ってきて、星金産のオスを掛けて作った紅白がいるんです。
それを私が親にして自分のオスを掛けて作った鯉です。だからうまい具合に戻し交配ができたと思います。
何代か経てですね。

──この鯉 (写真⑧) の兄弟のオスは親に使っているんですか。
小西 使っています。兄弟のオスをさっきの大和の子のメス (写真A)に掛けたんです。

──ああ、阪井産のメスにこれの兄弟の組み合わせになっているわけですか。
小西 この時は出来が良かったので、何匹もオスに残ったんです。