錦鯉 第2章

──BREEDER INTERVIEWより──
コイシのコニシさんの、

「人の印象に残る鯉を」

第2章 自家産オスと他系統メスが定番 インスピレーションを重視して
──3才以上はまた別の親の子になりますね?
小西 3才4才はまったく別です。で、5才6才もまた別ですね(笑)。同じ親で5年も6年も採れることは最近ではもうないですね。長く採れなくなったような気がします。オスはずっと使いますけど、メスは最近で長く採ったので4年か…。ただ、三色はもう4~5年採っていますから、鯉によりますかね、やっぱり。

──長く採れないのは、気に入らないところがあったり?
小西 いや、死んだりですね。無理はさせていないつもりですけど。それにやっぱり、3~4年するとまた自分が採りたい鯉が出てくるんですね。なんかこっちのほうが良いんじゃないかと思うとそっちに行ってしまうんですね。嫁さんは変えられないですけど、親鯉は変えられる(笑)。

──(笑)…。メスはよその鯉を入れて、オスは自家産という組み合わせが多いですか。
小西 そうです。よそからメスを持ってきて、オスは自分のところで出来たやつを使うということが多いです。メスは品評会に出てきたりいろいろで、結構いますけど、オスは本当にいませんからね。本当に良いオスなんかもう1腹に1~2本しか出来ませんから、自分で確保しておかないと。
 今年、うちで2才で揚がってきた鯉で、オスで残してもいいなという鯉は1本だけです。当才の時に堤に入れる時にもうオス親候補で入れているんですけど、揚がってきたらそれを忘れていて、オッ、これは良い立て鯉やね、質が良いねと思ってよく見たらオスで、あっ、これはオス親候補に入れた分だと
(笑)。


 オスもいろんな鯉が出来ています から、紅も何種薄かあって、ねっと りしたやつもあれば赤いやつもあるし、メスによってこういうのを掛けてみようかとかですね。どっちかというと私は、メスは柔らかい紅のやつで、オスはガチッとした赤い紅のを掛けるとだいたい良い鯉が出来るような気がします。反対もありますけど、だいたいそれでやっています。
そのために、オスは赤いやつとか粘りのある紅とか、いろいろ残しています。
 で、組み合わせはこれとこれと掛けようと決めていても、産卵の当日に変えることも結構あります。

──当日に?
小西 よーく見て、あっ、こっちとか(笑)。やっぱりインスピレーションというか、そういうのが大事かなと。
──組み合わせはオスメス1対1ですか。
小西 どうしてもこれとこれの子が欲しいという時は1対1でやりますけど、だいたいメス1にオス2が多いです。そのオスも兄弟とかですね。

──同じ腹で出来たオスを2本掛けして?
小西 はい。そういうのが多いです。
 兄弟でも緋盤の赤いやつとべったりしたやつとか、違うタイプを掛けてやることが多いです。同じだったら あまり意味がないような気がしますから。まあ、孵化率もありますから、l対1で出来ない時は大変なことになる気もしますからね。
 話が飛びますけど、5年ぐらい前に、採っても採っても採れないことがあったんですよ。採っては失敗、採っては失敗で、50日ぐらい鯉が出来なかったです。採る親ももうなく
なって、これが最後の親だというところで、やったらそれが意外と良くて、今5才で残っているのがそれですけどね。

 その時から、ミジンコの作り方とかいろいろまた勉強し直して、やり方を変えましてね。そこから鯉もまたちょっと変わったかなと自分では思っているんです。本当にあの時は
5月から始めて6月ぎりぎりまで鯉がいなかったからですね。